【イギリス移住の手がかり③】やべー、なんなんだこの勉強量は… -大学院メインコース-

イギリス就職

メインコース開始

無事pre-sessional(事前英語コース)を終了し、大学のアドミン(事務局)の対応がのんびりしていてビザ発行されないんじゃないかとヒヤヒヤの場面もありましたが、なんとかメインの大学院コースに進むことができました

いよいよ念願のメインコース!このためにイギリスにやってきた!!

約10年ぶりの大学進学はわくわくとどきどき
周りを見ればフレッシュな高校卒業したての若い子や、研究で忙しそうにしている博士課程の人など、キャリアをスタートさせる可能性に満ち溢れているとさえ感じました。わくわくしすぎ

イギリスの修士プログラムについて

イギリスの理工系修士で取れる主な学位は以下3つ

  • MSc (Master of Science)
  • MEng (Master of Engineering)
  • MRes (Master of Research)

で、僕がとっていたコースはMScのTaught Courseで、講義と卒業プロジェクトの複合プログラム
イギリスではこのMScとMResは1年でプログラムが完了し、MScよりMResの方が研究寄りのコース(MResは講義もあるが1年を通じてプロジェクトを完成させる)

MEngは学士(BA)と繋がっていて、なんとたった3年で学士も修士も取れてしまうお得なコース。高校卒業後すぐに入れるから早い人は21歳で修士、24歳で博士を取ってしまう


日本に博士課程まで進んだ友人が何人かいますが、学位取得後、働く年齢が30歳前後になってしまう例も多くあり、このイギリスのシステムはキャリア形成にいいなぁって単純に思いました

他にも最初工学系でMEng取ったけどやっぱり生物でキャリア作りたい!とMScを生物で取ってその方面で就職する人もいたり、だいぶ将来設計に柔軟な印象(ただ同時にずっと自分の将来が決められずふらふらしている人もいますが…)


僕がMScを選んだ理由は、大学選びの時に友人にこのコースを紹介してもらったのと、以前日本では工学修士(MEng)を取っており、MScは日本では理学修士に相当するので被ってないから履歴の見栄えもいいかなという単純な理由でした笑(あと正直MEngだかMResだかなんだかよくわからなかった)


この僕がとっていたMScは4期制で

  • 1期: 10月〜12月(講義中心)
  • 2期: 1月〜3月(講義中心)
  • 3期: 4月〜6月(テスト+卒業プロジェクト)
  • 4期: 7月〜9月(卒業プロジェクト)

でした
まぁ3期目と4期目は講義はもうなかったので、ほとんど3期制みたいなもんでしたが
そして、日本でも修士を経験したので比較ができたのですが、イギリスのMSc、

めっちゃくちゃ忙しい!!

単純に2年間かけてやることを1年に凝縮してるし、なんと言っても世界ランク10位以内の大学、講義のレベルが高い!!
既に知っている分野もありましたが、なんとなく常用している公式や考え方を改めて理解する必要があったり、講義を教授の最先端の研究結果を織り交ぜながら進めるので、その教授の過去の重要論文を理解しなくてはいけなかったり、予習復習にかける時間がとても追いつきませんでした

常連になっていた図書室はいつも満席。夜は毎日大体10時くらいまで残っていましたが、残って勉強している学生も多くいました(驚いたのがこの大学の図書室、365日24時間営業。日本で通っていた大学の図書室は確か夜9時には閉まってたかな…)


大学でよく言われていたのが

「この大学で成功するには講義3時間に対し予習復習8時間が必要」

最初はまさかーと思ってましたが、いざ始まってみると本当に追いつかない。授業早々教授が当たり前のように難解な数式をプロジェクターに出し、その難解な数式を元にさらに難解な数式を作り…

「先生、その元の数式の導出を理解するのに2時間は必要です…」

なんていう授業がざらにありました


よく、日本の大学は入るのは難しいが、卒業は簡単。
海外のは入るのは簡単だが、卒業は難しい。
と言われてますが、まさにその通りでした

1期目と2期目の終わりにテストがあるのですが、全体で2教科以上落とすと卒業認定はもらえず、次の年に追試。ただ、講義は出れず、またビザも発行されないので基本的に留学生は自国に帰り(この大学は6割以上イギリス外からの学生)、テストの日にのみイギリスに来ることになります

常人ならそんな状況でモチベーション保てないし、何より1年目講義を受けながらでも通らなかったテストに2年目、自国で勉強して受かるはずがない!と言うか僕の狙いは卒業認定をもらうことではなく、その先就職すること。卒業は当然、しかも良い成績を取らなくてはいけない!とまたまた自分にプレッシャーをかけていました笑

ただ、それはそれでも今まで5年間の社会人人生の中で、技術職でありながら思うような開発に時間をかけられない、技術の理解を深めても事務仕事が多く報われる機会が少ないなど、もやもやしていた期間が多かったので、今回思う存分自分の勉強したいことが勉強できる環境がとても嬉しかったです

なにより自分の勉強していることがその先の自分の進みたいキャリアに直結しますし

今までそれなりに勉強してきたつもりでしたが、自分の勉強不足を目の当たりにし、pre-sessionalの時のように毎日鬼畜スケジュールで勉強していました

卒業プロジェクト

そしてその鬼畜スケジュールの甲斐もあってかなんとか無事に1期目、2期目のテストを通過し、卒業プロジェクトへ突入

卒業プロジェクトは各研究室からリストが学生に送られ、学生が選び、先生とそのポスドク(その先生のもとで働いている研究員)と面談し、決定されます


僕はこの卒業プロジェクトが卒業後のキャリア形成に大事になる!とわかっていたので自分のキャリアに結びつくプロジェクトを選び、先生とポスドクに猛アピール
面談の場に自分のCV(履歴書みたいなもの)を持っていき、僕は社会人経験があるからこのプロジェクトを成功に導ける自信があります!と提言

先生たちも気に入ってくれてその場で選別は決まりました

そこからは結果が全てだと思ったので、同じように鬼畜スケジュールで卒業プロジェクトに取り組み、途中指導ポスドクが他大学に移籍して居なくなるというアクシデントはありましたが順調にプロジェクトは進んでいました

わすれてはいけない就活

ただ忘れてはいけないのが、就職のこと
僕がイギリスに来たのは勉強するためでも卒業プロジェクトを成功させることでもなく、現地で就職すること!

この卒業プロジェクトと同時に就職活動をしていましたが、これがまぁとてもストレスフル

当初から就職は厳しいとわかっていましたがほとんど全滅でした
イギリス国内にとどまらず、ヨーロッパ各国、北米、オーストラリアなど国は限定せず(日本以外)応募しており、合計50社以上応募しましたが返答が来たのが3社のみ。面接まで進めたのが2社のみ

困難の要因は明らかに

  • 応募分野ではまだ”新卒”扱い(経験が少ないとみなされていた)
  • 採用にビザ発行が必要

で、スキル不足はしょうがないとしても、ビザ問題はやはりいつまでも付きまとう問題でした
国によって外国人に発行するビザの制限の違いがありますが、あるイギリスの会社からは明確に

「君のスキル、人柄は良く採用したいけど、現状うちの会社にビザを手配する余裕がないんだ。ごめんね」

と言われました。おそらく多くの返信をくれない会社もそうなんだろうと意気消沈


その中でもオランダとベルギーは外国人にビザを発行しやすいらしく、面接も割と最終段階まで進むことができていました
ただ、この会社、自分の進みたい方向と完全にマッチしているわけではなく少し妥協があったのです

「やむなく日本に無職で帰るくらいならいいか…」

と半ばその会社に行くつもりでいたところふと思ったのが

「このままやりたくもない仕事をまたするくらいなら、今の研究室の先生に雇ってもらおう」

と指導教授にアプローチすることにしました

それまでに築いてきた研究結果をきれいにまとめ、コースの最後にある研究発表会(多忙な教授と面会できる数少ないチャンス)に全てをかけることにしました


結果は大成功!

教授は僕の発表に前のめりになり聞いてくれ、普段は静かな教授から3、4個質問が来て明らかに興味をもってくれました

この発表で感触を得た僕は翌日直接メールを送り、面会し、働かせて欲しい、今こんな構想がある。これを1年で完成させる、とプレゼンしたらその場で契約の握手をすることができました


当初の予定していた企業への就職ではありませんが、キャリア形成には申し分ないポジション!
そして5年このポジションで働き続ければイギリスでの永住権が取れるので、取っ掛かりとしては大満足でした


そんなこんなで猛スピードで終わったMScそして就職。まずはホッとした渡英1年目の終わりでした

次はいよいよ仕事スタート!

次回はこちら↓

前回はこちら↓

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