【幹細胞移植⑥ | 274日目】白血球のデータがやっと見れたぜぇ

幹細胞移植

全然白血球の値を教えてくれないと度々文句を垂れていましたが、見つけました!
なんかよく見たら NHS って全部電子化されてるから、自分の NHS の診療記録みたいなサイトに行けば全部見れました。すみません NHS の皆様

どうやらこの Patients Know Best は患者に診療記録を開示するシステムを作っている組織で、NHS と提携しているから、NHS で医療を受けたら自動的にアップされるぽいですね
そして患者が Patients Know Best にスマホやパソコンからアクセスすれば、血液検査の記録、先生との面談結果、次のアポイントの日程など基本的に全部見れちゃいます(一部、X-線やCT画像は何故か開示されていませんでした)

出典:Patients Know Best.com

以前からこの存在は知っていて、たまにアポイントの確認や血液数値を見てたりしたのですが、まさか入院中もリアルタイムでアップされているとは気づかず
毎日顔合わせてるんだから教えてよ…と思うのは患者のわがまま。気になるならちゃんと自分で確認します

そして色々数値見てたら面白い(抗がん剤投与との相関性)ことがよく見られたのでまとめてみました!同じように抗がん治療中の方、科学チックなことに興味ある方、目を通していただけると嬉しいです

まずは用語確認

血液数値もめちゃくちゃあって、医療素人の私にはとてもじゃないけど全部は追えません。今回は一応は日常生活ができるレベルの体の免疫機能に関わるところだけ見ます

つまり主役は白血球

僕も知らなかったのですが、白血球っていろんな種類があるんですね。1つだけかと思ってた
良さげに表にまとめられてるサイトがあったので引用↓

出典:看護roo.com

白血球の中でも特に好中球リンパ球が大部分を占めてて、他のやつらはサブ的な感じっぽい。大事は大事なんだけどね

それで、NHS では特に好中球が「もう日常生活に戻っていいですよ」レベルになったら退院としてるらしい。その値が 1.0×10^9 個/ℓ(= 1000 個/μℓ)
ちなみに正常な人は 2.5〜8.0×10^9 個/ℓ
この1リットルあたり何個好中球がありますか、の指標をANC(absolute neutrophil count)というらしい

また、深刻さを表す指標は

Mild(軽度)1.0〜1.5
Moderate(中度)0.5〜1.0
Severe(重度)0.5 以下
*単位は 1.0×10^9 個/ℓ

らしいです。まだまだ僕は重度レベルなんですねぇ
そしてこの好中球が極端に少ない状態を好中球減少症と呼んでいるそうです。名前をつけたがるのは人間のさが

役割確認

何を気にしなきゃいけないかがわかったので、では次にそれぞれの細胞の役割を簡単に:

  • 好中球は細菌と戦い
  • リンパ球はウイルスと戦う

ようです

ちなみに
細菌はいわゆるバイ菌で、自己複製ができる単細胞
ウイルスはコロナのように細胞を宿主にして増殖する微生物です

なるほどね〜。こいつらのおかげで多少は汚いもの食べても細菌が体で増殖しないし、多少のウィルスが体の中入ってもやっつけてくれるのか。ありがとう好中球とリンパ球

英語の確認

なんとなく見なきゃいけないところがわかったので、次は英語の用語確認。英語圏で生活・働いてるといちいち日本語と英語を両方調べなきゃいけないのが辛いところ

  • Neutrophil – 好中球
  • Eosinophils – 好酸球
  • Basophils – 好塩基球
  • Lymphocytes – リンパ球
  • Monocytes – 単球
  • Absolute neutrophil count (ANC) – 好中球絶対数
  • Neutropenia – 好中球減少症

それでは楽しいデータ分析!

やっと用語とその役割がわかったのでデータを見てみます!

好中球

まずは好中球から
治療を開始した時からのデータもあったので少し遡って見てみました

治療全体の好中球の推移

治療の流れは、最初はABVD(11月〜2月)、途中でベンダムスチン(2月〜4月)に切り替え、少しお休みした後に G-CSF(6月)を打ち、幹細胞採取。そして最後に LACE(7月)投与をして自家幹細胞移植です

プロットが赤いのは基準レベルから外れてるって意味してます

いやー見事に期待通りに推移してますね。これが医者だったら、よしよしって感じなのかな
ABVD を入れた直後から好中球が落ちて、1.0 あたりを推移してます。1.0 くらいなら家で生活しても大丈夫って判断されてるんですね
ベンダムスチンが何故、好中球を落とさないかはわかりません。抗がん剤の作用の仕方が違うのかな

そしてG-CSF(幹細胞の生成を促す促進剤)を打った後に 27.1というぶち上げぶり。すげぇ

そしてこれ↓は最後の LACE と自家幹細胞移植の時のデータです

自家移植入院中の好中球の推移

見事に抗がん剤を入れたあとにしっかりと好中球が 0 になってくれて、しばらく 0 とか 0.1 をうろついた後に Day11 の今日、0.5 に上がってます。通りで体がなんだか軽いわけだ

いやしかし、抗がん剤治療って人間の体を酷使してるなぁ。こんなジェットコースターみたいに免疫機能を上げ下げしても人間生きてるってのもすごい

リンパ球

続いてリンパ球
これ↓は同じように治療期間全体のデータです

治療全体のリンパ球の推移

こちらは治療前から基準レベルから外れて真っ赤なのが気になりますが、外来で受けてた時はほとんど変化はありません。悪性リンパ腫を体に持ってるとリンパ球の数値が下がるのかな?
悪性リンパ腫はリンパ球ががん化したものだから、体全体のリンパ球の調整がうまくいかなくなったからかもしれない
B症状(高熱、食欲低下、発汗、体重減少)はその影響と言われてるしね
ただ、一般的に基準値から下に出るものなのか上に出るものなのかは、ぱっと調べてもわかりませんでした

G-CSF を打った後は好中球と同じようにぶち上がってますね

そしてこれ↓が自家移植入院時の推移

自家移植入院中のリンパ球の推移

この時はもっと顕著で、LACE を入れた後から順調に下がっていき、しばらく 0 を張り付いた後、徐々に上がってきました
Day 11 の今日で 0.4。好中球と同じようにこれのおかげで体が軽いのかな?

他にも見れる数字がいっぱいあるけど、なんだかこれ以上やるとわけわかんなくなるからここまでにしました

いやーでも面白いですねぇ。自分の体のことで、データも自分のだから秘密保持とか関係なく見れるし、面白かったです

これからもちょいちょいデータ見て、経過観察していこ

最近の体調など

前回の更新が Day 6 だったので Day 7 から Day 11 の今日までの体調の変化などを少し

高熱がまた出て、同じように抗生剤を打ってもらったり、足の付け根のところに感染症の腫れ物ができたりなどなど、やはり免疫システムがダウンしてることによる感染症がちょくちょく起きてました

熱も抗生剤でなんとか抑え、炎症がある皮膚には抗生剤のクリームの塗ったりして凌いでる感じです

でも食欲はほぼ回復!口内ケアを結構マメにしてるおかげか、口内炎はほぼ治り、大好きなりんごとサラダを食べれる日々

病院食は相変わらず味の面で食べれないのでサプリメントドリンク↓を飲んでカロリーが足りなくならないように調整してます

これが結構いいんだよね〜。味も美味しいし、一杯 300kcal とプロテイン 12g 取れるし。もはやエネルギーはほぼこれから取ってるかもしれない

あと、Day 8 くらいから心臓がたまに大きくドクンってなってそれで頭痛が起きてました。いつもじゃなくてたまに
入院中に買った心拍数を測れる時計(退院後に買うつもりだったけどフライイング笑)で簡易的に心電図測ったらこんな感じ↓

確かに医療現場の測定方法と比べたら簡易的すぎて相手にされないレベルだと思うけど、素人目から見ても明らかに心拍がぴょこぴょこしてるからこれを武器にお医者さんが巡回してる時に相談しました

僕「こんな感じでたまに心臓がドクンってなって、その時頭痛がするんです。心電図でも測定しようにもその時は治まってるかもしれないので、検査がしにくいと思うんです」
ドクター「おけ、大丈夫。次その症状が出たら、ナースに言って。すぐに、何回でも測定してもらえるようにしておくから」

やったー!
ドクターが帰った後しばらくしたらまたこの心臓ぴょこが出たので、すぐにナースを呼んで心電図を取ってもらったけど、残念ながらぴょこは出ず

その後2時間くらいしたらまたぴょこが出てきたから「次こそ!」と思いナースコールをしたら、あの抗がん剤投与最終日でひと騒動あったおじいちゃん看護師登場

おじいちゃん「なんで呼んだの?」
僕「心臓がまた痛くて…」
おじいちゃん「でもさっき心電図録っても問題なかったじゃん」
僕「ドクターから測れるまで何回でも録ってって言われました」
おじいちゃん「そんなに何回も録れません」

がーん…
でも、なんだかんだ(別の人が)録ってくれたのですが、またぴょこは出ず
その後おじいちゃんが結果とともに、「ドクターは何も問題ないって言ってるぞ」となんだか自信満々に部屋に入ってきた時はなんだか気の力が抜けちゃいました。どっと疲れた

幸い昨日からぴょこは出てなく、今日またドクターに「また心臓の違和感感じたらナースコールしてね」と優しく言われましたが、もうしません。まじでやばいくらいドクンドクンしたら呼ぶ

なんか疲れたけど、そんなやりとができるくらい元気になってきたのかなと前向きに捉えよう

今日はどうやらこれからお腹の CT をとるらしい。こないだ出た細菌感染でお腹に異常がないか確認したいんだって
医者レベルの人たちは素晴らしく優秀で、いろんな部門とうまく連携取れてるのはすごい。ここまでちゃんと見てくれるのは不安もなくなるし、ありがたいですね
ほとんどの看護師はとっても優しいけど、たまーにややこしい看護師に当たると大変な思いをするのは、しょうがないですかね

副作用は今のところ

  • 吐き気ほーんの少し
  • だるさ少し(元気になってきたから逆に無いとすら感じる)
  • 動いたら息切れ(たぶん。あんまり動いてない)
  • 指先の痺れ、また少し良くなってきた!
  • 口内炎は回復!
  • 食欲はもりもり!

って感じです

このまま順調にいけば来週半ばには退院できるそう。あと少しや〜

追記

そのあとぼんやりとデータ眺めてたら面白いのがありました

C-Reactive Protein(C反応性蛋白)と呼ばれるタンパクは体の炎症反応(主に細菌やウイルス感染による)が起きると増加されるんらしいけど、このタンパク濃度とがん罹患に相関関係があるらしい(引用:血中CRP(C反応性蛋白)濃度とがん罹患リスクとの関連について

まぁがんが体にとっての異物が暴走してるから炎症反応も起きるよね

そして他の血液値で見てたのと同じようにC反応性蛋白を見てみると、あらすごい
治療前はちゃんと高くて、抗がん剤を入れた途端に落ちて、幹細胞移植入院時の細菌感染してる時にはちゃんと上がってるではないですか

こちらは全期間↓

治療全期間でのC反応性蛋白の推移

こちらは幹細胞移植入院時↓

自家細胞移植後にスパイクがあるのは確かにこの日あたりで高熱が出て(細菌感染)、その後また上がってるのは確かに細菌感染による皮膚炎が悪化した時だった

おもしろーい!!

今は熱もないし、皮膚炎も抗生剤で落ち着かせてるからC反応性蛋白も下がってきてるぽい。それでも結構基準値より高いから、他にも気がつかないだけで炎症反応はあるのかな?あんまり無理しないようにしよ

なんか誰かが血液を見れば体のことが大体わかるって言ってたけど本当にそうなんだね。すごい
針がすごい苦手で毎回血液検査が恐怖なんだけど、血液値は毎日でも確認したい笑
痛みがなく血液とる方法ないかなぁ

次回はこちら↓

前回はこちら↓

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