※この記事は外来の投与が終わった今、当時を思い出しながら書いています
とうとう始まったがん治療。私のがんはホジキンリンパ腫ということもあり、まずは典型的なABVDを使った計6サイクルの抗がん剤治療で完治を目指すことになりました
経過を血液検査や PET-scan で観察し、期待しているより良くない場合は抗がん剤の種類を変えたり、放射線治療に切り替えたりするとのこと
ABVDは1サイクルは4週間で、投与回数は2週間ごとに1回。つまり合計12回投与というめまいがしそうな回数だけど、病院側が経過をしっかりみてくれるので自分はただ用意してくれた治療をこなすのみ、頑張る!と当時はまだやる気がありました
いやしかし、今思っても無料でここまでしてくれるなんてNHS、素晴らしい医療システムだ。あんまり文句は言えません
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初めてのABVD投与
今思ってもABVD投与…長かったー!!
この方法は4種類の抗がん剤(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)を順番に投与するのですが(気になる方は国立がんセンター中央病院のサイトを見てください)、それぞれが30分とか1時間とかかかるうえに、投与開始する前に血管の流れを良くするために生理食塩水を入れたり、吐き気留めやステロイドを入れたり…
それに追加し、これは治療を受けていた病院の問題だったんだけど、抗がん剤を別の病院から輸送してるみたいで、毎回その輸送に遅れが出て、結果投与開始時間も遅れてたんだよね
ひどい時は病院に朝9時に着いて、出たのは夕方6時くらい。輸送遅れで投与開始は午後1時、投与5時間でやっと帰宅、みたいな感じでした
うーん、流石にこれは疲れた。もうやりたくないです
なんか長時間フライトのエコノミークラスに乗ってる気分。しかも2週間に一回
幸いにも病院には Wi-fi が飛んでいたので、YouTube とか Netflix を見て時間を潰せたけど、抗がん剤投与中にどうやって暇を潰すかはよく考えた方がいいですね
抗がん剤の影響で気持ちが悪くなるので勉強したり、仕事したりはなかなか難しかったです。僕は頭を空っぽにして気持ち悪さを忘れられるエンタメ系の動画でなんとかしのぎました
スイッチとかのゲームでもできればいいんだけど、点滴してるからあまり腕は動かしたくないし…やっぱり動画に落ち着くんですかね
あとはドキソルビシン注っていう赤色の抗がん剤がいかにも抗がん剤!って感じで少し視覚的にも気持ち悪かったです
点滴経由で赤色の液体が体に入ってくる感覚は何回やっても慣れるもんじゃないです
しかも投与からしばらくすると尿がピンク色になってこれもまた不快。今思い出しても良く耐えたな自分
前に Netfilx で Breaking Bad っていうシリーズを見たんだけどメインキャストのおじさんが抗がん剤治療しててそんな感じの描写があったんだよね。それを思い出して、あーこれ映画の世界のやつだ〜って妙に感動したのを覚えてます
そんな感じで長時間の擬似エコノミークラス体験と初の抗がん剤治療を終え、病院をあとにしました
投与当日から寝汗が止まった!
帰宅した直後は気持ち悪すぎてとりあえずベッドに横たわるしかなかったけど、吐き気止めを飲んだらすごい効いて、夕飯はいつも以上に食べれました。春巻きサイコー
投与前日までは悪性リンパ腫の体に現れる典型的な症状として夜の寝汗が、枕もパジャマも朝にはびしょびしょになるくらいひどかったんだけど、なんと投与当日から寝汗がすごい減りました
1ヶ月以上ぶりに朝でも枕とパジャマがサラサラだったのは感動
翌日は多少の気持ち悪さはあったものの、まだだるさは無く、むしろ癌が弱ったのか少し体が元気になった気さえもしました
そして翌日の夜はさらに寝汗が減り、全く汗をかかず朝を迎えられました!いやーこれには感動したね。純粋に抗がん剤が効いてると感じれて嬉しかった
症状なのかわからないけど今ままでは夜も3回くらいトイレに行ってたんだけど、それが1回に減ったのも嬉しかった
公の空間への究極プライベート空間の持ち込み
そんな感じで割と調子の良い抗がん剤投与後初の週末を過ごし、翌週月曜日は以前ドクターにもお勧めされた精子の凍結保存のための精液採取をしに病院へ
一体どんな感じの空間なんだろうと最初は少しワクワクしていた自分もいたのですが、実際行ってみるとなんとも気持ちの処理が難しかったー
どっかのサイトでこの精液採取の問題は「公の空間に究極のプライベート空間を持ち込む必要があること」みたいなことが書いてあって、まさにそうだなとその時実感
しかも部屋寒いし…
これも将来生まれてくる子どものため!と思い無事に終わらせ、病院を後にしました
1回目はひっきりなしにすれ違う患者さんが気まずかったけど、なぜが2回目、3回目になるとそこまで気にならなくなった。慣れって不思議
肝心の副作用
そんな感じでまたまた新しいことづくめの抗がん剤投与1回目でしたが、肝心の副作用はそこまでひどく無かったです
強いて言えば
- 多少の気持ち悪さ
- 少しだるい
くらいだけど、気持ち悪さは吐き気止めで結構抑えられたし、脱毛もこの時点ではまだありませんでした
以前から後半になるにつれてキツくなるってドクターやナースに言われてたからこの時は一喜一憂せず、無心で全ての治療をこなすことだけを考えてました
外来の抗がん剤治療を終えた今振り返って思うけど、この1回目投与が一番わかりやすく体に効果が出ていたと思う。症状の改善は
- 寝汗が止まった
- 胸の痛み、咳がなくなった
- 痰に血が混ざらなくなった
- 夜のトイレが3回から0回に
- 息切れが改善(私は左肺に腫瘍があったため)
- 疲れやすさの改善
などなど。痰に血が混ざらなくなったのは素直に嬉しかった
なんか血を吐くと本当にやべぇって気になっちゃうからやっぱ少し心配だったんだよね
そして抗がん剤を投与してから5日目で副作用も少し落ち着いてきたらすごい体が元気になって、家事とか子どもの世話ができるようになった!これは嬉しかったねー
風呂掃除をしたり子どもを室内ジムにつれて行ったり。今までは肺にあるでかい腫瘍のせいで歩くだけでも息切れして家のこと何もできなかったんだけど、今考えたらすでに腫瘍が小さくなり始めてたのかな?
そんな感じで割と順調に1回目投与を終え、2週間のリカバリーの後、次は2回目投与!この頃から少しづつ脱毛が…!
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