とうとうやってきましたこの日が（投与1日目は昨日でした）。長かった外来投与の最終サイクル。一回目の投与が11月末だったから5ヶ月くらいやってたかな
こないだの PET-scan の結果（記事はこちら）からは腫瘍はほとんど目視では確認できない大きさになってて、治療は順調
あとは残されたサイクルをこなし、再発を抑えるために完全に撲滅するのみ
安心感
やっぱりここまで来ると安心だね。最初の抗がん剤（ABVD）があまり効いてなくて抗がん剤の種類変えましょうって言ってた時（ここら辺の記事）は今思い返してみれば結構不安だったけど、今は全然気持ちが違うね
当時は
「新しい抗がん剤がまた効かなかったらどうしよう」
とか
「こうやって色々試してると体の影響はどうなんだろう」
とか
「長く投与してると長期的な2次がんのリスクってどれくらいなんだろう」
などなど心配事ばかりだった
今でもそんな心配がないかと言われたら嘘だけど（6月に幹細胞移植が控えているわけだし）、少しでも前向きな気持ちだと楽だね
改めて意識した死生観と成し遂げたい夢
なんでこんなこと思ったのかというと、昨日一緒の部屋で治療を受けていたお婆さん（70歳くらい？）と暇だから小話してたんだけど、その人も悪性リンパ腫なんだとさ
そして同じく肺にできたそうな。ステージとか腫瘍の大きさとかは聞かなかったけど、全部で12サイクルを予定してて今は3サイクル目
少し不安そうな表情だった
まぁそうだよね。まだ3サイクル目だと効いてんのか効いてないのかわからないし、歳がいってるとあまり強い抗がん剤を入れられないみたいだから、時間もかかるみたい（僕の爺ちゃんが肺がんだったんだけど結局8年近く抗がん剤治療してた）
その分、僕はまだ若いし、治療も完治に向かって今のところ順調。当初は僕も死についてよく考えてたんだけど、そのお婆ちゃんはもっと頻繁に考えているような様子だった
この病気になってみて生死について考える状況が長く続くと、なんか日常のことほとんどのことがどうでもよくなるね。別に無気力になって人に対して不親切になるとかってわけじゃないけど、自分に与えられた人生の時間で本当に大事なこと、やりたいことに集中しなきゃって思う
今僕は大学の研究員として、体の不自由な人の日々の生活を助ける医療ロボットの開発をしてるんだけど、自分が60歳とかのおじいちゃんになる頃までには、自分の開発をそんな人たちに届けたいって思ってるんだ
こんな気持ちはイギリスに来る時からあって、そのいわゆる”夢”みたいなものを実現しようと日々頑張ってたんだけど、この病気になってその気持ちがより強くなった気がする
検査入院してたとき、個室だったんだけど、入院初日に隣の部屋が少し騒がしかったんだよね。コロナもまだ収まってなかったから面会は1人のはずなのに、家族全員で面会に来てた（恐らく患者さんは父親）
しばらくすると家族が部屋から出てきて、みんな号泣。次の日部屋が空になってた
別の病棟に移ったのか（ホスピスみたいな）どうかはわからないけど、それが人生で初めて自分ごととして死生観みたいな、生きることと死ぬこと、生きている間に残された時間を考えるようになったかな
そして何より癌が見つかった時はまだ子どもが11ヶ月。歩き出したり、いろんな遊びを覚えてきたり日々成長を感じ、楽しく過ごしてた中で、急にずっとお別れをしなきゃいけなくなるかも、って考えたらとてつもなく悲しくなった
初めて喋るところ見れないんだー
小学校入るところ見れないんだー
思春期の反抗期で喧嘩できなんだー
将来について一緒に悩むこともできないんだー
そして早くして僕がいなくなったら、子どもは僕のことを知らずに大きくなることも悲しかった。そりゃあ写真や動画でどんな人かはわかるけど、何をしたかとか、どんなことができたかとか、どんな人だったかはやっぱり自分で見なきゃ子どもにとっても実感湧かないと思う
だから尚更自分がいなくなってもずっと生き続けるものを残したいって想いが強くなった。夢である医療ロボットの会社なり製品なり技術なりを作って、それを残し、伸ばし続けてくれる人を育てて…子どもが大きくなってそれを見たら
「僕のパパってこんな人だったんだー」
って多少なりとも誇らしく思ってくれたら、小さくして父親を亡くした子どもの少しでも救いにはなってくれるかなって
まぁこんなこと書いてるけど全く死生観の本なんか読んでないし、言っても意識してから5ヶ月くらいのもんだから大したことは考えてないんだけど、人生で成し遂げたいその”夢”に対する想いがさらに強くなったかな
まだ体調が万全じゃないから仕事はお休みしてるけど、早く戻って突っ走りたい。体を壊さない程度に
今日は少し暗めの内容になったけど、このカテゴリーは日記だからいっか。今日は投与2日目！最後だ！がんばるぞー
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