3D CADモデリングをこれまで13年間やってきたロボット研究者の著者が、全CADモデラーにおすすめしたい3Dマウスの3Dconnexion SpaceMouse
これからモデリングの世界でキャリア、スキルアップを考えているなら全力で手に入れることをおすすめします
特に今回レビューする3Dconnexion SpaceMouseはリーズナブルながらハイパフォーマンスのモデリングが出来る素晴らしい逸品です
実際著者はこのマウスを3年前に購入し、なぜ早く買わなかったんだ!と後悔するぐらいごりごりに第一線で活躍しています
この記事ではおすすめポイントと考慮すべきデメリットをまとめています
3Dモデラーとしてスキルアップを目指すみなさんの少しでも参考になればと思います
そもそも3Dマウスとは?
3Dマウスとは通常のマウスと並行して使う視点移動のためのマウスでカーソルは動かせません
主にこんな形をしています
このジョイステックみたいなレバーを使って例えばGoogle Earthの視点を立体的にかつ連続的に動かすことができます
そんなGoogle Earthのように視点を動かす3Dモデリングソフトやアプリで使えるマウスのことを3Dマウスと呼んでいます
3Dマウスの何が良いの?
簡単に言うと両手を使って作業ができることが最大の特徴です。通常ならばカーソルを動かすマウスで通常操作と視点操作を同時に行う必要がありますが、この3Dマウスがあれば例えば右手で通常マウスで設計線を引き、それと同時に視点移動をし、引きたいところまで線を引くことができます
もちろん、通常マウスで出来る、平行移動、上下移動、拡大縮小、回転、傾き全ての操作を同時にかつ連続的に行うことができます
3Dマウスのメリット
上記で述べたように両手が同時に使えるので、最大のメリットは作業効率の短縮だと著者は感じています。単純に考えたら今まで1本の手で行っていた操作を2本でやるから作業効率2倍だと思いますが、体感的には3倍、4倍にも作業時間が早くなっていると感じます
また、視点操作がとてもスムーズなので全体像の形をイメージしやすく、モデリングの質も向上していると思います
3Dconnexion SpaceMouseのおすすめポイント
もちろんこんな便利な代物、世の中にはたくさんの種類があります。どれを選んだらいいの?という方のために今回は著者が3年以上使っている3Dconnexion SpaceMouseを紹介します
1993年、スペースシャトル「コロンビア」号で搭載されたロボットアームを操作する際に3Dコントローラーが世界で初めて使用され、同年この3Dconnexion社が設立されました。現在は、かのロジテックの子会社としてともに20年以上も3D操作デバイスの開発に注視しているようです
そんなプロメーカー、もちろんハイエンドなものからリーズナブルなものまで様々なラインアップがありますが、今回は特に中でも比較的リーズナブルでかつハイコストパフォーマンスなSpaceMouse® Compactを取り上げます
3Dモデリングには必要十分なスペック
3D connexion SpaceMouse® Compactのスペック
主な機能
6自由度センサー
2プログラマブルボタン
寸法
長さ:77mm
幅:77mm
高さ:54mm
重さ:480g
保証
2年間
対応アプリが多い
対応アプリが何より豊富!冒頭で紹介したGoogle earthはもちろん、視点変更が必要なアプリはほとんど網羅できているんじゃないかというくらいです。その一部を部門別にご紹介
機械設計
機械設計部門では代表的なSolid worksやFusion360はカバーされてますね
エンターテイメント
建築
ヘルスケア
ここでは紹介しきれないアプリは公式ホームページで探せます
シンプルながら圧倒的な使いやすさ
操作中はマウスのベースは全く動かない
そうなんです、この3Dマウス案外重さがあって(480g)かつ底面に滑り止めが付いているので操作中ベース部分が全く動かずとても快適。この 480g という重さが絶妙で、重すぎず軽すぎず、快適な操作環境を提供してくれます
慣れるのが早い
この3Dマウス、ショートカットキーが2つしかないから右利き、左利きの人でもすぐに使えるんです。もっとハイエンドバージョンだとキーもいっぱいついてますが、正直ただのマウスからこの3Dマウスへの飛躍は半端ないので2つのショートカットキーでも十分だと著者は思います
新しいプラットフォームだと慣れの心配がある人もいますが、著者は2、3日で慣れることができました
ワイヤーバージョンの方がちょっと安い
これはもはや好みの問題になると思いますが、個人的にはあんまりパソコンにbluetooth通信を増やしすぎるのは好きじゃないので私はワイヤーバージョンを使っています。無線バージョンより少し(2,000〜3,000円)安く、充電の心配もいらない、そして何より操作中はベースは動かないのでワイヤーがあろうがなかろうが煩わしさに関係ない!
著者はこのワイヤーバージョンで困ったことは何もありません
おすすめの設定
ちなみにデフォルトの設定だとズームと上下の動きが直感と反転してるので下のように変更することをおすすめします
↑がデフォルトの設定。Configure を Autodesk Fusion 360 に設定し、Axis の In/Out と Down/Up を選択し、
こちらのように
Axis In を3D Mouse Down、Out を 3D Mouse Up
Axis Down を3D Mouse In、Up を 3D Mouse Out
に設定
著者の個人的所感
今から10年くらい前はSoild Worksのようにゴリゴリに寸法を決めて、機械加工での加工精度をちゃんと決めて製品を作り上げる場面が多かったが、近年3Dプリンターが出てきて精度寸法に依存しない、より直感的なデザインをする機会が増えてきたと思います
より人に馴染みやすい、扱いやすい製品設計をするにはやはり視点移動は欠かせなく、そんなデザインに向いているのがこの3Dマウス
あらゆる視点で全体的に自分のデザインがちゃんと機能を果たすか、見た目的に美しいかをみることが簡単にできます
これは今までの設計にはなかった!もちろん、機能上いらない部分の肉厚や無駄な重さは省く必要はありますが、そうでない微妙なラインを視覚的に表現できるのは強いと思います。特にFusion360に搭載されているフォームモデリングはぴったりの相性
視覚的に確認しながら流線型の外観をデザインできるので、いち個人が作り出せるデザインの幅が格段に広がりました
著者には経験はないですが、もちろん機械設計ではないエンタメなどの3Dモデリングでも欠かせないアイテムだと思います
3Dマウスのデメリット
特にあげることはないですが、強いていうなら以下
慣れるのに少し時間がかかる
新しいインターフェースを扱う上でしょうがないですが、やはり慣れの時間は必要。著者の場合は2、3日程度かかりました
数あるラインアップの中で特にSpaceMouse® Compactがおすすめ。これはショートカットキーが少なく、慣れるまでの時間を短縮してくれます
また、3D connexion社から無料でチュートリアルソフトが付いてくるので、練習もできます
安くはないが堅実な自己投資
20,000円以上もする高価なアイテム。ですが、堅実な自己投資になるので絶対におすすめです。特に今後モデリングでキャリアや収入をあげることを考えているならば、この3Dマウスでモデリングスキルが上がり、仕事が進んで、給料/収入上がればこの2、3万なんてすぐ元取れると思います。
成果が出るには比較的中長期的な投資にはなりますが、プロの人が最前線で使ってるデバイスをこれからプロを目指す人がなぜ使わない?と、過去買う時自分にも問いかけました笑
結果著者の場合は仕事の成果を短期的に上げることができ、5年プロジェクトの契約を勝ち取ることができました
まとめ
ロボットの3D CADを13年続け、3年間3Dマウスを使った著者はなぜ早く買わなかったんだ!と後悔するくらい気に入ってます。3Dモデリングでプロを目指している方!安くはないけどリターンが必ず帰ってくるアイテムなので是非使ってみては?
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